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山種美術館
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36

Special Exhibition: Celebrating the Rimpa Schoool's 400th Anniversary

The Rimpa School and Autumn Colors in Japanese Art

特別展 琳派400年記念

琳派

の彩り


―俵屋宗達、本阿弥光悦が創出した美の系譜―

 琳派の祖といわれる本阿弥光悦が京都洛北の鷹峯に 「芸術村」 をひらいてから、本年で400年を迎えます。 これを記念し、琳派と琳派に連なる美意識に着目した展覧会が山種美術館で開催されています。 俵屋宗達、光悦から酒井抱一、鈴木其一にいたる琳派の系譜をたどりながら、琳派特有の画題や造形感覚を意識した、あるいは表現技法を取り入れた近代日本画の作品や、琳派にも通じる季節感が見出せる展覧会です。

 俵屋宗達、本阿弥光悦が創出した美の系譜は江戸時代を通じて脈々と受け継がれ、明治以降の日本画家にも多くの影響を与え続けています。 豊かな自然に恵まれた日本において、古より人々は四季折々の自然の美しさを愛でる感性を培ってきました。 琳派においても季節の表現が重視され、草花などの風物を繊細かつ多彩な技法で描きだしています。

本展の見どころ   ( * は個人蔵、その他は山種美術館蔵)
① 代表作や著名な作品をはじめとする優品を一堂に公開!
宗達をはじめとする琳派の作品27点を展示。 宗達(絵)・光悦(書) 《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》、尾形乾山 《定家詠十二ヶ月和歌花鳥図(二月)》*、抱一 《秋草鶉図》 【重要美術品】 など見どころ満載。
② 近代・現代の画家たちが琳派に学んだ軌跡を紹介!
福田平八郎 《彩秋》 や山口蓬春 《新宮殿杉戸楓 4 分の 1 下絵》 の装飾性、菱田春草 《月四題》 や小林古径 《狗》* のたらし込みなど、日本画の中に潜む琳派の特徴にも注目します。
③ 会場内が秋まっ盛り!
近代以降の日本画家の作品も同時公開。 竹内栖鳳や川合玉堂の描く秋、幅 5m を超える奥田元宋の大作 《奥入瀬(秋)》 など、様々なかたちで表現された日本の秋の情趣をご紹介。


会期: 2015 9/1(火)~10/25(日) 展覧会は終了しました。
開館時間:午前10時から午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(但し、10/12 は開館、10/13 は休館)
会場:山種美術館
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
URL http://www.yamatane-museum.jp


※山種美術館 【特別展】 琳派400年記念 「琳派と秋の彩り」 図録、プレスリリースからの抜粋文章です。
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

「前田青邨と日本美術院」山種美術館

【特別展】 琳派 400 年記念
「琳派と秋の彩り」展


琳派の祖 “本阿弥光悦” が京都洛北の鷹峯に “芸術村” ひらいて 400年を迎えます


【展覧会の構成】 ―【特別展】 琳派400年記念 「琳派と秋の彩り」 図録、プレスリリース・資料などからの抜粋文章です―

 本展では、秋のモティーフである鹿が金銀泥によって装飾されている宗達(絵)・光悦(書)《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》、たらし込みによる柔らかな水墨表現による宗達 《犬図》*、木立がリズミカルな 伝 宗達 《槙楓図》、抱一の凛と咲く菊が鮮やかな 《菊小禽図》、明快な色彩と簡略化された葉が印象的な福田平八郎 《彩秋》、たらし込み技法で描かれた仔犬が愛らしい小林古径 《狗》* など、琳派とその画風に影響を受けた近代・現代の作品の展示構成です。

展覧会構成
第1章 琳派の四季
第2章 琳派に学ぶ
第3章 秋の彩り


俵屋宗達《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》・本阿弥光悦《四季草花下絵和歌短冊帖》

第1章 琳派の四季
  琳派における四季の自然表現に注目し、表現技法と主題の双方向から琳派の特色に迫る ―琳派は彩り豊かな表現によって自然の姿を描き出してきました。 金銀を多用した華やかな装飾性や斬新なデザイン性は、光悦と宗達の時代に始まり、琳派の作家たちに脈々と受け継がれています。
日本では四季の移ろいが文学を通して表現されていますが、琳派の作家たちも、物語や詩歌などの古典文学を好んで取り上げ、その美意識のもとで四季の情景を造形化してきました。

俵屋宗達 (絵)(生没年不詳) 本阿弥光悦 (書)(1558-1637)
《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》 17世紀(江戸時代) 紙本・金銀泥絵・墨書 山種美術館蔵
 もとは 『新古今集』 の秋歌28首を記した長巻の巻頭を飾っていたもので、光悦が好んだ歌人、西行が秋の夕暮を詠んだ歌が書かれています。 書は鹿を挟んで上の句と下の句が配され、まるで鹿に寄り添っているかのよう。 琳派の祖、光悦と宗達による書と画が見事な調和を見せています。 鹿は秋に詠まれることの多いモティーフで、うつむく牡鹿の姿に歌の世界を重ねあわせてみると、しっとりとした秋の情趣が画面全体からにじみ出てくるようです。


福田平八郎《彩 秋》

第2章 琳派に学ぶ
  近代・現代日本画に与えた琳派の影響 ―20世紀に入ると琳派ブームが起こり、日本画家の間でも琳派を意識した制作が盛んに行われるようになります。 平面性を指向した画面構成、形態の単純化や抽象化、金銀の多用や明快な色彩の組み合わせによる装飾性など、アプローチはさまざまです。 しかし、それはいずれも、遠近や立体感、写実といった西洋の伝統的な絵画表現とは対極にあるものでした。
日本画家の水墨表現には、濃淡の面的な広がりやにじみを活かした例が数多く見出せます。 その中には琳派特有の技法であるたらし込みを意識したと思われるものが少なくありません

福田平八郎(1892-1974) 《彩秋》 1943(昭和18)年 絹本・彩色 山種美術館蔵
 福田平八郎のことば。――私は大体リアルを信念として貫く方向を辿ったが、宗達などの琳派が好きなもんだから、どうかすると装飾のほうに走りたがる。 それは絶えず反省してきたが、この頃ではもう装飾的になっても写実になってもかまわんと思っている。(「朝日新聞」1961年10月20日)


山口蓬春《錦 秋》

第3章 秋の彩り
 『古今集』 や 『新古今集』 などの平安から鎌倉時代に編まれた和歌集において、季節の歌では春と秋が多数を占め、さらに数では秋が優っています。 秋の趣は多種多様であり、和歌に取材した作品の多い琳派でも、紅葉が印象的な伝宗達 《槙楓図》 や秋草越しの月を描いた抱一の 《秋草図》 など、秋の彩りが表情豊かに描き出されています。
本章は、こうした詩歌や琳派の美意識にも通じる秋の情趣を表現した近代・現代の日本画の展示です。 前半は秋の風景を描いた作品、後半の第2会場では 「小さな秋」 と題して草花の果物、小動物を描いた作品を展示しています。

山口蓬春(1893-1971) 《錦秋》 1963(昭和38)年 紙本・彩色 山種美術館蔵 ©公益財団法人 JR 東海生涯学習財団
 蓬春は、帝展で受賞を重ね、戦後は日展を中心に活躍。 1965(昭和40)年、文化勲章を受章。 ――蓬春も琳派を敬愛した画家の1人です。 昭和30年代に入ると、蓬春は写実的な表現と装飾的、意匠的な画面構成を融合した花鳥画を手がけています。 散り積もった紅葉の上に配されるのは2羽のキセキレイ。 燃え立つような赤に黄色が映え、華やかな秋の彩りが凝縮されているかのようです。


お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
美術館公式サイト:http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社


出典資料:山種美術館、【特別展】 琳派400年記念 「琳派と秋の彩り」 図録、 Press Release、資料他。
※本ページの画像はプレス内覧会において許可をいただいて撮影、掲載をしています。


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